投稿日時 2025-07-22 20:37:33 投稿者 ![]() 熱血 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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楓奈は一葉の笑顔と窓から差し込む陽光が溶け合う様子をじっと見つめた。それはまるで天から舞い降りた天使のようで、次第に視界がぼやけていった。 「あらあら、どうして泣いちゃうの? そんなに怖いの?」 目尻から涙の粒が転がり落ち、一葉は驚いた。慌てて立ち上がり、娘のそばへ駆け寄ると、抱きしえ、背中をそっと撫でた。 「怖がらないで、怖がらないで。まだ何も起きてないんだから。ママがいるから、怖くないよ~」 温かい抱擁に、楓奈は少し正気を取り戻した。しかし、さきほど思い出したあの声が、まだ脳裏にこだましていた。 『どうして他の子じゃなくてお前だけいじめるんだ? お前に問題があるんじゃないの?』 『いじめられてるなら先生に相談しなさいよ? 私たちそんなに忙しいのに、私たちに言ったって仕方ないでしょ』 『いじめられてるなら親に相談しなさいよ? 私のところに来る前に、まず自分の成績を上げてこいよ』 数々の冷たい言葉が過去の記憶から押し寄せてくる。それはまるで癒えることのない古傷のように、ずっと血を流し続けていた。 しかし、今抱きしめられているこの温もりは、これほどまでに現実的で温かかった。彼女は目を閉じて、その感覚を味わった。 「ありがとう、ママ。もう怖くないよ」 「何か困ったことがあったら、必ずママに言ってね」 「うん。洗顔してくる」 ー ー 作者X:https//x.com/Nekketsu365 小説家になろう:https://ncode.syosetu.com/n0735kt/2/ |
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